SUMIBITO

書籍「禅とジブリ」

カテゴリ : 波の音 2019.08.07

珍しく今日は書籍について。

私が初めてジブリ作品を映画館で観たのは確か「魔女の宅急便」だった。内容は言わずもがなと思うが、エンドロールのユーミンの曲が流れる場面でなぜか胸が熱くなって、今でもその場面をよく覚えている。ほぼ宮崎作品は観ていてどれも好きなのだが、そんなジブリ作品が禅と繋がりがある?なんて見出しをみたら読まずにはいられなくなった。

日本を代表するアニメとしてジブリ作品を引っ張ってきた敏腕プロデューサー鈴木敏夫氏。その鈴木氏が3人の禅僧と対話形式で、色々と生きる上で為になる話をしたり、ジブリと禅の共通点などを興味深く語っている。

特に、龍雲寺の住職・細川和尚はジブリ作品のファンらしく、その愛が対談の中でも伝わってくる。そして禅僧らしくジブリ作品を考察するところなどは、読んでいてとても気持ちよく、ニヤリとしてしまう。何度も観ている作品をもう一度観たくなる。

この中で特に記憶に残ったのが「放下著」「即刻目前」。「放り出せ」「今を生きろ」という意味の禅語。今の世の中、物が溢れ、手軽に情報を得る事ができる。そして過去と未来に縛られて生きている。そんな色々なしがらみや物をちょっと置いておいて、目の前の「今」に集中して対処した方がシンプルに生きられるのでは?という提案をしてくれる。もちろんこの本を読んだからといって禅のなんたるかが分かるわけではないが、色々なヒントで人生を考えさせられたり、禅について調べて見ようかなと言う気持ちにさせてくれる。

ジブリ好きの人にも、禅に興味ある人にもおすすめの本。このブログで常々言っている「シンプルに暮らす」に通じるヒントを貰えるのではないだろうか。