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富山からの便り2

カテゴリ : 住む人日記 2019.07.29

一月振りの、更新です。
富山から戻り、個展や美術手帖さんとのお仕事もひと段落がつき、そのまま怒濤の地方撮影と都内での撮影、そして戻っての作業と追われているうちに、外では蝉が鳴き始め、最初の台風が過ぎ、梅雨が明けました。

さて、今更ながら前回の続きを少し。
印刷には複雑な工程があること、紙の地色にも影響を受けることなどをご説明しましたが、もう一つ、色を合わせる上で鍵となるのが、「面つけ」です。家庭用のプリンターと違い、印刷所では巨大な一枚の紙にいくつものページをまとめて印刷して、後で裁断し製本することで、冊子になります。

とすると、、、察しのいい方はお分かりかもしれませんが、上や下に配置された別のページの写真やデザインの色に、それぞれが強く影響を受けるのです。例えば上下に青いページがあり真ん中に赤があると、一方を立てれば一方が立たない、板挟みの状況になるのです。なるべくそれを避けて面つけをしつつも、裁断の手間も顧慮しなければなりません。真上に余白が来るような面つけもできますが、すると今度は紙のロスが生じるので、膨大な費用が発生します。

なので限られた予算と時間、そして無駄のない工程の中で、できる限りの調整を印刷機のオペレーターとプリンティングディレクター、営業さんや、私たちサイドのデザイナーなども交えて一丸となって作業をすすめていくのです(そこまで出来ないお仕事も多々ありますが)

いざ印刷が始まると、あれ?ちょっと黄色な?青いな?赤いな…??ということがよくあります。そこでCMYKのそれぞれに指示をして、色味を調整していきます。それは黄色が強いと思ったからYを弱くするという簡単なことではなく、頭の中で4色を混ぜ合わせながら、他の色に邪魔されていないかまで、しっかりと見極めることも大切です。これは、場数を踏むこと、優秀な印刷所の人と巡り会うことで会得することができます。 書けば書くだけネタはありますが、印刷の話は、ここまで。

住む人は、ようやく今年も取材開始に向けて動き出そうとしています。今年は少し、去年よりも発行が遅れるかも?しれません。でもきっといい冊子になることでしょう。GITAKUというハウスビルダーが、なぜ冊子を作るのか、次回はもう一度、そのことについて書きたいと思います。

 

写真は、富山で印刷していた、高松の古墳の猫塚古墳の写真です

住む人編集部K.H