SUMIBITO

小さく住む事。小屋のような住まい方。

カテゴリ : ちびスケ 2016.11.17

森さんは、技拓で平成13年に家を建て、訳あって売却し、もう一度平成24年にも家を建てました。平成13年の家は坪28坪。平成24年の家は29坪。「訳あって」は、これからお話しをいたします。

16年前のある日、掲載された記事を奥さんが持ち帰ったことから、技拓との出会いがスタートしました。そこから事あるごとに技拓の木を貼った家が気になり「カッコいいなぁって思っていたんです」
最初の家の計画の時から、都内に仕事をしている関係で、利便性は外せない。
大きな土地は、それは理想。でも…
予算の中で、利便性と家の快適性は優先順位が高かったそうです。もともと「小屋」の考え方が好きだったそうで、小さな家に抵抗はなかったそうです。
「大きな土地であっても小屋になっていたと思いますよ」と、森さん。
利便性と予算だけ考えたらマンションでもよかったのでは?と思う人もいるが、「僕は車が側に有るということが夢で条件だったから、戸建てでないとダメだったんです」平成13年の新築の時は、1991式のパンダに乗っていました。パンダの置ける家。
(在りし日のパンダ。今の車もこの時もナンバープレートは奥様の誕生日だそうです)

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予算や利便性を考慮した土地をさがして決めて来たら、実はそこの土地は米杉が貼れない!という事がわかり「そうなんだ…」と…でも、気持ちを切り替えて家造りに取り掛かりました。そこから12年経ち「やっぱり外壁に米杉の貼った家に住みたい」その思いが湧きあがってきたそうで、「土井さん、家をもう一度家を建てようと思う」それはそれはびっくり仰天。
実は、その移住計画の前に、以前の家の改装工事の話があって、プランから見積まで進み、あとは微調整…という段階まで進んでいたのです。
土地探しが始まり、すさまじいスピードで土地を探してこられました。「ここにしようと思います。どうですか?」もともと大きな敷地を分割した土地。家の計画がしばらく進んでから奥様の言葉が印象的でした。「ふつう住み替えは、土地が大きくなるとか、家が大きくなるとかなのに、うちは、ほとんど変わらず。土地のサイズも家のサイズも茅ヶ崎という事、殆ど同じ(笑)」

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森さんは言います。
「僕の思う事は、仕切られた個室の積み上げではなく、玄関ドアを開けると、ひとつの空間内でそれぞれの役割があるエリアがある事がこの家の良さだと思う。個室の積み上げだと、坪数は増えちゃうよね。この家の1階は50㎡。やく15坪。1階だけで生活しろと言われても出来ると思う。快適だと思うな。その快適性は、たぶん無駄のように見えるこの吹き抜けがあるから。空が見えて、光が入って、風が抜けていく。尖ってない。どことなく温もりの感じる空間。不満の無い1階。個室を作っているのではなく、空間を作っているからなんだと思う。古沢さん(設計者)すごいよね。この家の空気全部繋がっているんだよ。ドアが無い。(実際には引き戸を使ってイザという時に間仕切れるようになっています)」

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奥様は、
「私は小さいと思っていないです(笑)ここ(リビングの吹き抜けの事)をなぜ部屋にしないの?と思う人多いと思う。でも絶対に欠かせないし無くしたくない。」
と、お話しくださいました。
快適性はサイズじゃないって事が伝わります。お話しくださるお二人に最後に聞いてみました。好きな場所はどこですか?お二人とも、
吹き抜けのあるリビングのソファーに座っている時間が好き。と…

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今も好きと言ってくれる、前の家は、大渕氏に建物の思い出として水彩画で残してもらい、新しい家に飾っているそうです。

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