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平成と夏の終わり

カテゴリ : 住む人日記 2018.08.22

暑さと肌寒いような涼しさが、行ったり来たり。
空にはひと足はやい秋の雲が浮かぶ8月は、もう21日です。みなさんは、この厳しい夏をどのようにお過ごしでしょうか。

私は新幹線に揺られながら、西の方へ向かっています。
あっという間に過ぎる窓の向こう、降りたこともない街の景色や、山肌を漂う雲、収穫が近づく稲穂の黄金色を眺めています。私の知らない場所に、こんなにもたくさんの家々と暮らしがあること、その数だけの苦楽や泣き笑いがあるのことを思い浮かべると、自分の小ささに気がついたりします。

都会に限らず、人は多かれ少なかれ、背伸びをして生きている。だから独りになりたくもなれば、たまには背伸びをやめて安心したいと思うことも、あるのかもしれません。背伸びだけでは入道雲のように、空高くもくもくと大きくなることは、叶いません。

さて、そんな夏の物思いも後少し。嬉しいような、寂しいような、季節の終わりは、自分を小さく区切れる機会として、日本の四季とそこに生まれた幸運さに触れる瞬間でもあります。

そういえばこれは、平成最後の夏。
これまでの歴史で、陛下の崩御を待たずして、年号が変わると予め周知されたことは稀なこと。
ゆとり世代・悟り世代と揶揄され、卒業式は震災、成人は大雪などなど、多くの不運と激動に見舞われた平成生まれにとって、予めセンチメンタルを許してもらった最初で最後の夏という、ご褒美なのかもしれません。

かく言う私も平成生まれです。
今日まで元気に生きれいていることに、感謝。
みなさんも思い出深い、残りの夏をお過ごしください。

 

 

住む人編集部 原田