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フィンランド人に学ぶ

カテゴリ : お山生活 2018.03.12

少しずつ寒さも和らいで、掃除も楽しくなってきました。
秋頃には引っ越しもあるので、今からモノを整理していかなくてはと、
そんな風に思っていた矢先、フィンランド人の方の本に出会いました。
素直に共感することが多かったので、今日はその本を紹介します。

モニカ・ルーッコネン著
フィンランド人が教える ほんとうのシンプル

フィンランドは日本とだいたい同じ面積をもちながら、人口が500万人。
たしかこれは、北海道の人口くらいだろうか。
ゆったりとした面積には自然も多く、とてものんびりとした
雰囲気に包まれた国であると、旅をしたスタッフからも聞いている。
写真を見るだけでも、とても美しい国だと想像つく。

だからこそ、この豊かさが生まれるのも納得がいくのだが、
それでも、私たち日本人が学べることは非常に多い。

私がとても共感したのは、まず「モノ」についての考え方。
モノを減らしたり、捨てたりするムーブメントは、
世界的に起きているそうで、日本だけじゃなかったんですね。
ここ数年、日本でも「断舎利」「ミニマリスト」という言葉が
よく聞かれるようになりましたし、私も数年前に思い切ってモノを減らそうと考えた時期がありました。
私の家で一番多いのは、本です。思い切って本まで手を伸ばして
相当数を売ってしまったら、結構気持ちがよかったので、
次から次に捨てる気になるんですが、
あとから読みたくなったり、調べようとするとないんです(笑)
で、結局は何冊も同じものを買う羽目に。
その時に思ったのは、ただただモノを減らせばいいというものでもないと。
本の中では、図書館を使うことを勧めてはいますが、本全体の
考えの中での意味合いとしては、
自分にとっての暮らしのスタイルがまず第一にあること。
その上で、優先させるモノがなんであるかということを、
自分自身が知ることかもしれません。
そのうえで、減らすことよりもモノを買うときに、
どうするかなんだという、彼女の言葉がすんなりと入ってきます。
フィンランド人は、あまりモノを買わないのです。
家具などは祖父母から引き継いだり、国策としてリサイクルが推奨され、
当たり前の「分かち合う社会」現象が、起きているのだそう。
「持たない」のではなく、「今あるものを大切にする」というのが
基本にあり、すべてを自分自身が持っている必要がないということで、
シェアリングが盛んなんだそうです。
ようは、モノが豊富でなくとも幸せを感じることができるかどうかは、
自分の生き方「生きるスタイル」を見つけることで得られると。
この世界では、モノを買うこと、消耗することで自分を見失うことは
たやすいことなのだと、彼女は言います。
本来、お金とモノがたくさんあることと、豊かであることは
あまり関係がないのです。
自分が何に喜びを感じ、満足するか、何が生活に必要なのか、
それをじっくり考える事。
そして、今自分の持っているものに愛着を持つこと。
モノを大切にして、次の世代に引き継げるものを選ぶこと。
そして、人と比べず執着せず自分らしく生きる事、
暮らしの中にある小さな出来事に満足する心の持ちようが、
本当の豊かさであると語りかけています。

そこには、きちんとした価格と品質のバランスを大切にする目利きがあり、
経済にあまり影響されない生き方を持ち、何にどのくらいお金を使うか
というフィンランド人の考え方を、
日本もそろそろお手本にするいい時期なのかも。
そんな風に思えた1冊でした。

私は引っ越しをしたら、小さな図書室を開くのが目標です。
本を近所の方々と分け合い、そこで生まれるリアルな人との
つながりの中で、豊さを育んでいかれたらと考えています。

モノに関してだけでなく、まだまだたくさんのいい言葉が、
本の中にちりばめられていますので、是非ご興味のある方は、
手にしてみてください。