いきること、たべること。
カテゴリ : お山生活 2017.09.21
気が付くと、鈴虫が鳴く季節に変わっていました。
いったい私は、この夏に何をしていたのか、
少し考えないと思い出せないほど
夏の記憶が、過去へと押しやられてしまった。
今年は、元旦から、なにか違った動きのある始まりで、
それからというもの、ただひたすらに走ってきて、
もう、9月も半ばを過ぎてしまっている。
こんなにも、月日の経つのが早いと感じたことは、
かつてないくらい、今年は時間の感覚がおかしい。
1日があっという間に終わってしまって、その日の初めにやったことが、
数日も前の出来事にすら感じる。
私の時間軸は、一体どうなってしまっているのか不安になるほどだ。
こう気忙しいと、じっくりと暮らしを味わいたいという気持ちは、
ひたすらに募るばかり。
そして、不思議なことに、こういうときほど、よく料理をする。
頭をフル回転させて、考えなければならないことが多かった9月は、
夜な夜な料理をしている。
きっとなにかが私の中で、バランスを取ろうとしているのだろう。
料理とは、心のバロメーターに似ていて、
私自身を芯の部分で支えている行為なんだと思う。
頭がつかれているときほど、時間のかかる料理をじっと黙って作る。
コトコト煮たり、じっくり焼いたり、大量に刻んだり。
テレビもつけず、音楽も聴かず、料理の音に耳を傾ける。
私は、とくに料理が得意というわけでもない。
けれど、頭が疲れてくると、なぜかいつもキッチンに居る。
もっと疲れると、ベッドでダウンですが・・・
どんな理由であれ、キッチンに居る時間が長い人、
あんがい多いかもしれないです。
だから、私はいつも思う。
家の中心って、やっぱりキッチンなんですよね。
生きることと食べることって、同じなんだなって。
ちゃんと食べているうちは、ちゃんと生きてるって。
次号の「住む人」楽しみにしてください。