SUMIBITO

「いただきます」を考える

カテゴリ : 波の音 2017.09.25

前回の記事でベルギーから友人が遊びに来ていると書いたが、今彼らと京都に来ている。2週間の鎌倉滞在ののち、車で約6時間(休憩いれて)かけて京都までやって来た。彼らは日本、特に日本の文化に興味があり、京都の趣ある街並みやお寺が大好きで前回日本に来た時から、また京都に来たかったのだそうだ。京都は僕らも久々だったし、息子も楽しいだろうと思い一緒にやってきた。

ところで、彼らはベジタリアン(彼の方は植物性食品のみを食べるビーガン)で、食に関してはなかなかレストランを探すのが大変なのだ。ただ、幸いなことに鎌倉、京都でビーガンレストランを探すと思いの外あったりするのでとても助かっている。

数年前から日本でもベジタリアンというのは聞いたりするのだが、正直サラダしか食べない人?くらいな認識しかなかった。今回彼らが来るにあたって少し調べたのだけど、ベジタリアンと一口に言っても色々なタイプがあるようだ。彼女は卵は食べるけど、彼は植物性食品のみを食べる、つまりお肉はもちろん、卵、乳製品を一切食べないビーガンタイプなのだ。

ビーガンとはつまり「人間は動物を搾取することなく生きるべきだ」という思想をもって生活している人たちのことを指す。人間は動物を食す為に動物たちに苦痛ある屠殺をしていたり、環境を破壊したりしている。 だからそういうことはやめましょうというのがベジタリアンのもともとの思想のようだ。最近では、健康によいからとベジタリアン的なことを始める人も多いようだが、根本的な倫理思想がないと続けるのが難しいということもあるようだ。

彼らと一緒にいると、色々と食について考えさせられる。 

だから日本の「いただきます」という言葉はすごく重く大事なことばなのだなと思い返す。生けるものの命をいただきます。とても尊い言葉なのだと。

僕らは特に、ベジタリアン的な思考ではないので彼らの前でお肉も食べる。もちろん彼らがそれに対して嫌な顔など一切みせないし、何も言わない。けれど彼らの思想を知ってからは少しばかし彼らの前でお肉を食べる時考えさせられる。だから食べる前にちゃんと「いただきます」と思って食べるようにしている。

2歳になる子供にもいただきますと言ってから食べようね、と言い聞かしている。命を頂くのだから食べ物を粗末にしてはいけないよと。僕の教育方針は2歳児は分からないだろうから説明しない、ではなく分かるかもしれないからちゃんと説明しようだ。きっと僕らが思っている以上に子供達は色々なことを感じ考え分かっているんじゃないかと思う。

異国の人との交流はとても面白いし、見聞を広める良い経験だ。あと数日で彼らともお別れ。少し寂しいけどこの親交をずっと続けたい。