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本のある暮らし

カテゴリ : お山生活 2017.06.24

小学3年生の時に、全国手のひら文庫読書感想文コンクールとやらに応募して、優秀賞を取ったことがあった。
たぶん、それから本好きに拍車がかかった気がするけれど、
文学少女のように、本の世界にハマったわけでもないし、
かなり好みも偏りがある。

ただ、子どもの頃から本を読むことは好きだったし、
なにしろ一人の時間の大切さも知っていた気がする。
本を読むためのスペースを、どこに定めるのか。
子どもながらにいろいろと考えていた。
屋根の上。木の上、時には押入れ。一人で静かに読める場所が好きだった。

思春期になると、一度本から離れてしまった時期もあったけれど、
今の自分を形成しているのも、はやり本の影響は大きい。
ネット上の情報が、どうしても心に深く残らない代わりに、
手に取った活字から得たものは計り知れない。
以前、とある本に感化されたか、
突然「断舎離をする!」と言い出して、大量の本を処分してしまった
ことへの後悔は、いまだにぬぐえない。
趣味に関する情報は、やっぱり本として手元にもっていたい性格だし、
好きな本は繰り返し読む癖がある。

最近、ふと気づくと暮らしや環境づくりを中心とした本がまた増えていた。
そんななか、じぶんなりに言葉を吸収したいという衝動に駆られて、
読んだ本すべてにおいて、心に留まる言葉をすべて書き写すという作業をしている。
それは、自分の中で枯渇してしまった言葉を探す作業でもあるし、
新たな言葉との出会いを求めての行為でもある。
そして、その小さなノートを時々見つめていると、新しいアイデアや文章が
そこから自分の言葉として、生まれてくるのを感じる。

以前は、本に線を引いたり付箋を付けたりしていたが、
本はそのまま綺麗な状態で残しておきたい。
というのは、自分がいいと思った本を
いつか、誰かの手に取ってもらえるような空間を提供したい。
そんなふうに思う気持ちが、芽生えてきた。
たぶん、それは暮らしにまつわる本ばかりになると思う。
空間は小さくても構わない。でも、落ち着いて本と関われる場所。
今自分たちで本も作っているから、なおさらそう感じるのかもしれない。
ブックカフェなどを運営したいとか、大それた話ではないけれど、
美しい住まいづくりの本や趣味の本を、誰かと共感できる場所がほしい。
なんとなく漠然としてるのだけれど、そんな想いを抱いて、
やはりまた、本を買ってしまうのです。

以前断舎離をしてしまい、最購入した本。
いい本なのに、なぜ処分したのかと、今でも思う。