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山の恵みで籠づくり

カテゴリ : お山生活 2017.01.22

この時期のお山は、椿や山茶花、水仙に蝋梅が咲き、
そろそろミツマタも黄色い花が開くころ。
山を歩いていると、季節に敏感にならざるを得ない。
空気はまだまだ冬の寒さでも、少しずつ春に近づいているのが
わかります。

寒さで運動不足になっている鈍った身体を動かすべく、
近所をウォーキングしたその帰り道。
空き地でたくさん採ってきたのは、葛のツル。
春に小さな紫色の花を付け、ほんのりと甘い香りを漂わせる葛は、
どんどんツルを延ばし、木に絡みつくちょっと厄介な植物でもあります。
その厄介者が、実はお山の恵みでもある。

会社のスタッフが、このツルを使って籠を編むのが得意。
なので、私は材料を会社に持って行き、彼女に教えてもらうことに。
採ったツルは、半日ほど水に浸しておきます。

枯れた先端や、こぶのような節の部分はカットしていき

3~4本の交差させるツルと、編むための長いツルを使って編んでいく。

「そんな教えるほどのことじゃないのよ」と彼女は言う。
確かにそうかもしれない。
でも、みんなこの最初のきっかけがないと、なかなかやれないのよね。
あとは、個性が出て面白い。

彼女が手本を見せてくれた籠。
形もバランスも綺麗。
ちゃんと平置きできるよう、底も平ら。
さすが。

そして、私が人生初めて編んだ籠。

大変だったけど、楽しかった。
自分で編んでいても、それぞれのツルの強度や力の入れ方で、
思ってもいない形へとなりつつ、その場でイメージを変えていった
結果が、なんとも味わい深いものに変身してくれました。

お山に住んでいてよかったなと思う瞬間です。