想いをビジュアルで正確に伝えるプロフェッショナル
カテゴリ : 暮らす人 2016.07.04
パッケージデザイナー 佐藤勝則さん インタビュー
INTRO
寒川神社近くにお住まいの、パッケージデザイナー佐藤さん。
リビングの真ん中に仕事用のMacがドドンと置いてあるのが
佐藤さん流の仕事スタイル。そんな佐藤さんのデザインに対するこだわりを
根掘り葉掘りうかがってきました。クリエイティブな仕事に携わる人に
是非読んでほしいようなことがたくさん聞けました。
インタビュー&テキスト
土井 智波(技拓)
助手H
写真
原田 教正
土井 智波(技拓)
助手H
(佐藤さんのお宅のリビングに置いてあった電話に惹かれる助手H)
- 勝則さん:
- 留守電で「#を押してください」って言われても#がないから回せないのよ。
- 奥さま:
- あと0とか9だと時間かかるのよね。回して戻ってくるまでに。
- 助手H:
- 慌ててるときとか困りますよね。
- 勝則さん:
- 携帯は090だから長いんだよ。戻ってくるまでが。
- 奥さま:
- 35年間無傷で使ってたんだけど、この前落としちゃって、ひび入っちゃった。
- 助手H:
- これなんてメーカーですか?
- 勝則さん:
- Iskra(イスクラ)。スウェーデンかな。北欧だと思うんですけどね。
- 助手H:
- 35年間壊れずに使ってたんですね。
- 奥さま:
- これ、壊れるような機能が、
- 勝則さん:
- ないんだよね(笑)昔のは壊れるようなところがないよね。
- 助手H:
- えーっと。シュツットガルトって書いてありますよ。
- 奥さま:
- ドイツだ。
- 勝則さん:
- ドイツか。
- 助手H:
- 技拓の家に住んでる方は、モノづくりをしている方が多いので、そういった方々を中心にインタビューをさせていただいてまして。どんな方々が技拓の家を選んで、そのなかでどんな仕事や生活をしているのかだとかを知りたいと思いまして。
- 勝則さん:
- あ~。とりあえず楽しそうに仕事してますよね、技拓(笑)
- 奥さま:
- そうかもしれない。
- 助手H:
- 築28年くらいでしたっけ?
- 勝則さん:
- そうですねぇ。
- 助手H:
- 何で技拓を知ったんですか?
- 勝則さん:
- あのねぇ、その当時も建築やインテリアの雑誌というのがあって。
- 助手H:
- ああ、○ダン○ビングとか、けっこう昔からありますよね。
- 奥さま:
- ○ダン○ビングはちょっとグレードが高すぎたから(笑)
- 勝則さん:
- 斬新な。シャープなね。
- 奥さま:
- 普通のサラリーマンには手が届かないかんじですね。豪邸が多いんですよ(笑)
- 土井:
- バブルの最中?
- 勝則さん:
- バブルだったね。
- 土井:
- 雑誌もバブリーでした?
- 勝則さん:
- バブリーだったね。金利も高かったね(笑)で、いろんな雑誌を見て「この家いいなぁ」「あの家いいなぁ」っていうのを切り抜きして持ってたんだよね。
- 助手H:
- それは、何のために切り抜きを集めてたんですか?
- 勝則さん:
- 好きだったんでしょうね。
- 奥さま:
- すぐに家を建てるとかはなくて。古い家に住んでたんですよ。築70年の大正時代に建てられた家に。新宿の中落合で。暗くて、侘・寂の世界で、それはそれで楽しんでたんですけども(笑)
- 勝則さん:
- 二軒長屋で、隣におじいさんおばあさんが住んでて。そこ井戸水が出るんですよ。
「飲める」って言ってたんだけども、ちょっとあんまり飲まなかったんだけどね。
隣のおじいさんおばあさんは炭をおこして。炭と井戸水で生活をしてた。 - 助手H:
- コンロとか使わないんですか?
- 勝則さん:
- コンロは使ってたかもしれないんだけど。やっぱ炭がいいみたいだね。
- 奥さま:
- 昔ながらの「こたつと火鉢」っていうかんじで。
- 勝則さん:
- 結構いい住宅街で。緑も多くて。庭もあったんですね、その家。で、鶯が来て、鳴いてたりしたんですけども、だんだんうまくなってくんですね。最初は「ケッケキョ!」とかなんだけども(笑)
- 土井:
- えっそうなんですか?ボイストレーニングするんですか?
- 奥さま:
- そうなんですよ。最初は「ケッケッ!」とか鳴いてるんですけども。
次の日に「ホー」とかもうちょっとうまくなってたりして。 - 勝則さん:
- 一週間とか二週間でちゃんと鳴けるようになる。結構のどかなところだった。
向かいには庭師のおじいさんがいて。大きな家で、桜の木があって、そこでみんなで花見をしたりして。けど、その家を出なきゃいけなくなって、マンションを探してたのですが、バブルの頃だったので競争率が高くって。50倍とか100倍とか400倍とか普通で。当たらないんですよ。当たらないと、同じ地域で違うマンションが、すぐ100万円くらい高くなったりとか。どんどん高くなるか、どんどん遠くに行くか。そしたら大船まで下っちゃって。
「大船来ちゃったなぁ」みたいな(笑)「次は茅ヶ崎か?戸塚か?」みたいな(笑)
そしたら「家を建てた方が面白いんじゃないか?」ということであまり下調べもせずに建てて、今は田舎すぎて困ってるんですけども(笑) - 助手H:
- いや、いいところじゃないですか(笑)
- 勝則さん:
- その家を建てようというタイミングで、さっき話した雑誌の切り抜きが生きてくるんですよね。ただ見てるだけの切り抜きだったんだけども、その切り抜きの7~8割が技拓で(笑)
- 助手H:
- えっ?
- 勝則さん:
- すごいんですよ(笑)それで技拓に頼んで「失敗してもしょうがないよね」みたいな(笑)
- 助手H:
- 切り抜きをあらためて見返すまでは、7~8割が技拓だと気がつかなかったんですか?
- 勝則さん:
- 気がつかなかったね(笑)
- 助手H:
- 技拓に行って、プランを作ってもらうときは佐藤さんのアイデアとか入れたりしたんですか?それともおまかせだったんですか?
- 勝則さん:
- えーっと、基本はおまかせなのですが、
僕、パッケージデザインの仕事をしていて、よくオリエンを受けるじゃないですか。
オリエンを受けて「しやすい仕事」と「しづらい仕事」っていうのがやっぱりあって。
考え方をきちっと伝えてさえくれれば仕事ってやりやすいんですけども、いちばんやりにくいのは、考え方が「どうしたい」っていうのが伝わらなくて、断片的な「こんなおしゃれなかんじに」とかよくわからないことを言われることもあるんです。
表面的なことばかりを追い求めていくと、物事がまとまらなくて、仕事ができないんですね。
そういうことを随分経験しているので、「第一希望、第二希望」という風に、絶対にマストなものからアバウトなものまで段階を作って、言葉にしてオリエンボードにして設計士さんに伝えました。絵は絶対に書かずに伝えたのですが、自分のなんとなく「こんなかんじがいいなぁ」とイメージしてたプランが最初に設計士さんから出てきたので「やったぁ!」というかんじだったんですよね。 - 助手H:
- いつもとは逆の立場になった、佐藤さんのオリエンがよかったんですね。
- 勝則さん:
- 「思い入れがあるんだな」と思うと、「その要素も入れなきゃいけないかな」というサービス精神も働くので、クライアントが言ったこととか見せたものにどうしても捉われやすいから、そこを外したりとか難しくなってくるんですよね。
でもそこに捉われていると、大事な部分がなかなか最初に決まらない。その「大事な部分が何か」ということの共通認識をクライアント側と受注側が持って仕事を進めていくと「アナタが考えているものより、よりいいものがありますよ」っていう提案がもっとできると思うんですよね。
- 助手H:
- この家だったら、いちばん大事なことは何だったんですか?
- 勝則さん:
- なんだったっけな・・・忘れちゃったな(笑)
- 奥さま:
- まず明るいことと・・・
- 勝則さん:
- 子供がいたので、「安全で健康に暮らしていける」ということがいちばんだったと思うんだけど。あとは「光と風が通って気持ちがいい」というかんじだったかな。
このあいだ土井さんに返してもらったオリエンボードがどこかにあると思うんだけど。
でも、あらためて見たら、すっごい下手な字でたいしたこと書いてなかったなぁというかんじではあったんだけれども(笑)
すごくね、時間が経つと過去の記憶が美化されていくんだよね(笑)
オリエンボードが頭のなかでだんだん立派になっていって、ボードが何枚も重ねてあるような立派なものだった記憶があるんだけど、返してもらったらただのペラッペラな紙だったんですよね(笑)
暗いし、寒い長屋に住んでたので、憧れてたんだよね、こういう家に。
子供の頃もそういう家にいて。畳と裸電球、建て付けが悪いとかぼっとん便所とか(笑)
っていう、そういう暮らしでずっときてるんです。だから憧れてた家を切り抜いてたら、その切り抜きのほとんどが技拓だったんです。
技拓は暖かいかんじがするじゃないですか。立派な建築家が作るシャープな冷たい家とかには興味がなくて。
- 奥さま:
- そもそも規模も違いすぎる(笑)
- 勝則さん:
- まぁ、規模も違うけど(笑)生活感がないよね。生活が想像できないというか、楽しくないかんじがする。
- 助手H:
- 最初に出てきたプランの、そのままで作ったんですか?
- 勝則さん:
- 細かいところは違いますが、家自体の間取りとかつくりの面白さは最初に出てきたプランと同じです。生活していて使いやすいだけじゃなくて、動きの面白さや、いろいろなところを見ていて飽きない。いろいろな使い方ができるんですよね。
デッキがやっぱりとてもいい。
- 助手H:
- なんかモダンなかんじがしますよね。佐藤さんの家は。
- 勝則さん:
- そうかなぁ(笑)
- 土井:
- 奥行きがあるからなんじゃないの?
- 勝則さん:
- 表にある、無駄な前庭があるからじゃない?(笑)
- 土井:
- 何で駐車場にしないんだろうっていう場所ね(笑)
- 勝則さん:
- そうそうそう(笑)
- 奥さま:
- 設計士さんが、「子供が三輪車で回れるように」って作ってくれた。
- 勝則さん:
- で、子供が大きくなったら部屋を作っちゃえばいいって。
- 奥さま:
- わたしたちの老人室になるのよ、将来そこが。
- 勝則さん:
- そう言ってもお金が結構かかる。基礎を作らなくてはけないので。
- 土井:
- テントってわけにもいかないですしね(笑)
- 勝則さん:
- 「小口の佐藤」って呼ばれてるんですが(笑)毎年、技拓さんに小さな工事をちょこちょこお願いしてます。それがね、楽しい(笑)しかも小さな工事なのにプランは長い(笑)
- 助手H:
- ちょこちょこ変えるのが楽しいんですね。
- 勝則さん:
- それが楽しいですね。使いやすくなるので。全部先にやればいいんだけどね(笑)
- 助手H:
- 佐藤さんのお仕事の話に行きたいんですが、菓子メーカーデザイン室の何のご職業でしょうか。
- 勝則さん:
- デザイナーですね。
- 助手H:
- デザインはいつから仕事にしているんですか?
- 勝則さん:
- 24歳かな。それまでは大学で視覚伝達デザインを勉強していました。
- 助手H:
- 佐藤さんがデザインに興味を持ったのはいつですか?
- 勝則さん:
- 絵が好きだったんですよね。子供の頃からずーっと絵を描いてて。
美術の方に進めたらなというのはあって。だけどファインアートとか得意でもないし、ご飯食べられないし。で、「デザイン」というのがあると知って。その頃の日本のデザイン界はすごく魅力のある時期だったんですね。 - 助手H:
- それって1900何年くらいの話ですか?
- 勝則さん:
- 70年代後半くらいの話ですかねぇ。華やかな宣伝がどんどん出てきて、デザイン業界にみんなが魅力を感じている時代だったんですね。東京オリンピックでデザイン業界が華開いたところがあるじゃないですか。僕は子供だったから、リアルタイムじゃないけれども。でも東京オリンピックのポスターとか見ると
- 助手H:
- かっこいいですよね。
- 勝則さん:
- そう、かっこよかったんだよね。デザイナーもかっこよくて。
- 助手H:
- 視覚伝達デザインって、何を勉強するんですか?
- 勝則さん:
- ビジュアル専攻っていうんですけど、「想いをビジュアルで正確に伝える」。っていうのを勉強するんだと思います(笑)
最初はデッサンをもちろんやるんですけど、日本画の模写をやったり、人体模型を作ったり、版画をやったり、陶芸をやったり、一通りやって。それで、専攻の方に行くと、課題なんだったっけな・・・割とアバウトな課題があって、それを自分で考えて作るっていうようなかんじだったような。ユルいんですよね。だから、勉強しない人はずっと勉強しないっていうようなことになっちゃう(笑) - 助手H:
- 想いをデザインで伝える・・・。
- 勝則さん:
- ちゃんとした商業デザインぽい課題もやりました。例えば、自分で商品を考えて、パッケージまで含めて最終的な形にするような。
- 助手H:
- 何もないところから考えるんですか?
- 勝則さん:
- 何もないところから考えますね。
- 助手H:
- 何を作ったんですか?
- 勝則さん:
- その時は、小麦粉のパッケージを作りましたね。
- 助手H:
- なぜ。
- 勝則さん:
- なんか自然派っぽいのが流行ってたんじゃないですかね(笑)普通に売ってる小麦粉あるじゃないですか。あんまり美味しそうなパッケージないなと思っていて。「自然のちゃんとした小麦から作ったら、信頼ある粉が作れる」という商品をシリーズものにしたら、楽しくなるんじゃないか。というのをやりました。
- 助手H:
- それが1970年代後半に流行ってた?
- 勝則さん:
- 流行って・・・はいなかったかなぁ。
- 助手H:
- むしろ、今流行ってるような気が(笑)
- 勝則さん:
- パッケージを作れる材料も決まっていた気がして。段ボールっぽいようなやつとか、再生紙とか。そこに落とし込むと、「題材はこういうのが面白いかな」というのがあったかもしれないんですけどね。
- 助手H:
- はー。そっち側から考えるっていうやり方もあるんですね。
- 勝則さん:
- 締め切りがありますんで(笑)そんなにすべてが順序だてていかないんですね。それは今でもそうですけどね。
- 助手H:
- 締め切りがあるとそういう考え方になれるっていう。
- 勝則さん:
- なんとかしなきゃいけないんで(笑)あるじゃないですか。追い込まれると。
- 助手H:
- そう。最近思ってたんですよ。悩んでるときとかあるじゃないですか。でもだいたいケツが決まっていると、結局大体なんとかなりまして。でも「なんでなんとかなるんだろ」って思ってたんですよね。ちょうど今日の午前中に(笑)
- 勝則さん:
- 「何とかする」んですね(笑)
- 助手H:
- そういうことだったんですね。
- 勝則さん:
- セーフティー基準が高いか低いかで、その人のクオリティが変わってくると思いますね。
- 助手H:
- セーフティー基準が高いか、低いか?
- 勝則さん:
- なんとかしちゃうときに「これ全然ダメだけど、もうこれでいいや」って言って出しちゃう人もいるけど、「これじゃあ、いくらなんでも出せない」と思うともっと「何とかしなくちゃいけない」という人もいて、その人の方がクオリティが上がっていくわけじゃないですか。どこまで自分を許すか、というような。
- 助手H:
- なるほど。そういうことなんですね。
- 勝則さん:
- そういうことなんじゃないですかね。今でもやってますもんね。ギリギリになると(笑)「こういうものは自分のものとして、世の中に出しちゃいけない」って思うとそれはやっぱり出せないから。「なんとかしなきゃ」っていう。
- 助手H:
- 仕事をし始めて最初から菓子メーカーのデザイン室に?
- 勝則さん:
- 会社員になったことはなくて契約デザイナーなんですよね。ずっと。やっている仕事は同じなんですが、定年で今年からはフリーに。
当時からパッケージのデザインって地味な仕事だったんですよね。ポスターとか作ってる方がかっこよかった。でも室長さんが面白い人で。その人と一緒に仕事ができて、今も続けられてるっていうのはあります。一年半しかその人とは一緒にいなかったんですけどね。モリワカさんっていうんですが。お酒を飲み過ぎて亡くなっちゃったんですけども。 - 助手H:
- お酒ですかぁ・・・
- 勝則さん:
- うん。面接があったんですよね。「作品とかいらないから、クロッキーノートを持ってきてくれ」って言われて。美大行ってる人は、そこにアイデアとかスケジュールとか大体そのクロッキーノートひとつで済ませるんです。そこにスケッチとかも書いてて。それがあると大体その人のことが見えるので「クロッキーノートを持ってきてください」って言われて面白いなと思って。病院に面接に行ったんですけども。入院してたんです、ちょうどモリワカさん(笑)酒の飲み過ぎで。で、病院に行って「色紙に何か描け」って言われて。
僕、似顔絵が好きで、ずっと似顔絵を描いていて。で、点滴がウィスキーの瓶になっている入院中のモリワカさんの似顔絵を描いて(笑)それで仕事を始めたかんじです(笑)
その人は基礎を作ってくれた人で。 - 助手H:
- 「基礎を作ってくれた」というのは、どのあたりが勉強になったということですか?
- 勝則さん:
- さっきの話の「クオリティをどこまで上げられるか」ということじゃないですかね。あと、「人と同じものは作らない」とか。
- 助手H:
- 人と同じものは作らない・・・どこの差で「人と同じもの」になるんでしょうか。
- 勝則さん:
- 辛くなってできないから、人のやつを乗っけておしまい。というようなパクリに近い状態の仕事は面白い仕事ではないから、そんなことやってるとデザイナーできなくなっちゃうよ。ということですね。モリワカさんは「自分のオリジナリティを出していって、本当に価値のあるものを作れ。そうじゃないものは、まったく評価しない」という人だったので。
- 助手H:
- 何かから影響を受けて、必ず作るわけじゃないですか。
- 勝則さん:
- ええ、そうですね。
- 助手H:
- 何が違うと、オリジナルになるんですか?
- 勝則さん:
- 影響を受けたものに、どうアプローチをしていくかっていうことだと思うんですよね。アプローチの仕方がオリジナルだったら、たぶんいいんだと思うんですよね。
アプローチも一緒だし、ビジュアルも一緒だったら、もうパクリなので。
デザインだけじゃなくて、他のこともオリジナルにやらないとモリワカさんに「バカモノ!」と言われておしまいでした。 - 土井:
- モリワカさんはそれがわかっちゃうんだ。
- 勝則さん:
- わかんなくても、わかっちゃうことにする、みたいな人でした(笑)
圧倒的なんで、やっぱり。
いろいろなことを知ってる人だから、「その考え方、今まであったじゃん」というので、もうアウトでした。 - 助手H:
- 作ったものに対して理由も求められるんですか?
- 勝則さん:
- 当然そうですね。理由もなく、ただモノがあるっていうのは「路傍の石」みたいなかんじなんで(笑)今みたいにデザインがシステム化されている時代ではなかったので、
仕事に対してうんぬんもあるけど、仕事以外の作るものに対しても、「しっかりとやるように」というのも強かった。 - 助手H:
- 仕事以外のも見せるんですか?
- 勝則さん:
- 見られる(笑)生活全部を見られるかんじ。それが人を作っていくっていう。今そんなことやると「冗談じゃないよ」って話になるんだけど。でもそれぐらいやらないとクオリティの高い集団にはなっていかない気がするんですよね。
- 助手H:
- オリジナリティって「世界観」みたいなものですか?
- 勝則さん:
- いや、「立ち位置」だと思う。木の作家で「和久洋三」さんという方がいて、日本の木のおもちゃの第一人者なんですけども。その方が悩んでた時に、一週間に一個だったっけな、一日に一個だったけな・・・モリワカさんがその方に作るようにすすめて。それをずっと作っていて、オリジナリティのあるものとないものに分けていって。他で売ってそうなものとか、他の人が考えそうなものとか、それを全部省いていって。そうするとその人のオリジナルなものが見えてきたっていう。
- 助手H:
- いろいろ作っていって、分けていって、それで残ったものが、その方の作風となってるわけですか?
- 勝則さん:
- その方のオリジナルっていうことですね。モリワカさんが分けていくなかで、分けていく理由も説明していくのですが、それと同時に新しいものも作っていくので、そのプロセスのなかで、和久さん自身も自分のオリジナリティがだんだんわかっていく。
作りまくって、作れなくなるんですけども。作れなくなってからが勝負なんですよね。
僕も似顔絵描いてて、「今から一日似顔絵10枚」ってモリワカさんに言われて(笑)
一日10枚その日から似顔絵描いてたんです。 - 助手H:
- 10枚、別々の方の似顔絵を描いたんですか?
- 勝則さん:
- 10枚、同じ人の似顔絵を描いてもしょうがないんで(笑)それで、一年以上描いたんですけど、最初は著名な芸能人とか書いてたんですけど、すぐネタが尽きちゃうんで、それで知らないようなタレントの人とか。ピカソとかベートーベンとか。資料を集めるのが大変になってきて。とにかく10枚って決めてるから必死に描くんですよ。仏像とかの似顔絵も描いてました(笑)仏像シリーズというのがしばらく続いたりとか(笑)
- 奥さま:
- プロレスラーとかもあったよね。知らないよね、誰一人っていう(笑)
- 勝則さん:
- 完成度もあるんですが、描き続けてると描く方も飽きるんですね。だんだん腕は上がっていくんですけど、それまでは僕「和田誠」さんが好きだったんで、和田誠さん風に描いてるんですけど。飽きてくると「筆で描いてみようか」とかいろんなことをしだすんですね。で、また「なんとか風だろ」とかモリワカさんに言われると、またなんとかしなくてはいけないという風に追い込まれていって。そうやってだんだん自分のオリジナルなものが見えてくるというようなことをずっとやってました。「人のマネだ」っていうのを削っていくと、その人のものが見えてくるような気がしますね。あとは追い込まれると完成度がものすごく上がってきますね。あと、数をやるのがすごく大事で。数をやることで、深く考えるということができるようになりますね。あれは大変だった。その頃はだいたい0時過ぎまで会社にいて、家に帰ってくると2時か3時なんです。それから描いて、朝7時にはまた家を出ていた。結構しんどかった。
- 助手H:
- 寝てないですね。
- 勝則さん:
- 3時間くらい寝てたかな。寝てないときもあったけどね。
- 助手H:
- 描く方もすごいけど、描かせる方も信頼されてないとできないことですよね。
描く方が「何かが見つかる」とわかってないとできないですよね。 - 勝則さん:
- そうですね。デザイン室で回覧もしたんですよね。あれ、見る方も大変だったと思うんだけど(笑)
- 土井:
- デザイン室の人、みんなに課題があったんですか?
- 勝則さん:
- いや、ないですね。
- 助手H:
- なんでないんですかね。
- 勝則さん:
- 話をしていて、なんか「やりたい」って言うと「じゃあ今からやりなさい」って言う人なんですよね、モリワカさん。あんまり期待をしていない人には、言わないっていうのもあったとは思うんですけども。
- 助手H:
- さっき話してた「影響を受けるモノへのアプローチの仕方」で、最終的に作られるものが違うというお話なんですが、例えばこのカメラに影響受けるとしたら、どんなアプローチの仕方で、オリジナリティのある製品が産まれるのか、そうじゃない製品が産まれるのかが分かれていくのでしょうか。
(これです)
- 勝則さん:
- 「カメラはどうやって写真を撮るのか」というような考え方のアプローチの違いが重要になってくると思うんですよね。今こういう形が定番になってるんですが、「本当にこういう形のシステムがカメラにとっていいのか」というアプローチの違いが、オリジナリティを産むんじゃないでしょうかね。こういう形って「みんなが慣れてるからこれじゃないとダメだ」というようなことで一番売れてる形だと思うんですが、この形ってフィルム時代の形なんですよね。今デジタルだからこの形じゃなくてもいいはずなんですよね。でもこの形に慣れちゃってるから、違和感があるという、そのあたりの保守性というのがあって。
違うものが出ると拒否反応がかなりあるんですよ。すごく慣れたものがいいんですよね。みんな。デザインって生活のなかで動いていくから、慣れたものが必要なのかななんて気もしないでもないんですが、それだけやってると進歩もないので(笑) - 助手H:
- パッケージのデザインはDTPですよね。デジタルになる前ってどんなかんじでお仕事してたんですか?
- 勝則さん:
- ダミーをまず作りますよね。今だとプリンターで一枚に出力したものを組み立てるんですが、そこそこよくできちゃうんですよ。昔は、写真とかの部分は全部描いてたんですよ。徹夜続きで眠いときにライオンの夢を見ていて、たしかピザの絵を描いてたのに、はっと気がついたらライオンになってたことがありました(笑)ダミーを作るだけで二日とかかかってたんですよね。ダミーを作るのに上手い人と下手な人がいて。紙を重ねてダミーを作っていくんですが、上手い人だと綺麗に薄くダミーが作れるんですけど、下手な人だと、紙を重ねすぎて飛び出すダミーみたくなっちゃったりしてて(笑)
工夫をあんまりしない人はやっぱりつまんないデザインをしてましたね(笑)僕ね、器用だったんですよ。「超器用」という中国名を持ってるくらいなんで(笑)
デザインする道具が変わっても、工夫する人は工夫するし、しない人はしないですね。 - 助手H:
- 手作りのダミーから、完成するまでの良さってありました?
- 勝則さん:
- 良さ・・・あんまりないかもしれないですね。最終形は印刷物を作ることなので、それに近いものを作れるという意味では、今の時代の方がいいですね。ただ、ダミーに対しての想い入れはなくなってきてますね。みんなが大事にしなくなってきている。何でも簡単にできるような錯覚をみんな起こしているので、その分、逆にゆとりがなくなってきているのが、今の時代ですかねぇ・・・。
- 土井:
- なんでも今の時代、短命になってきてて悲しいですよね。
- 勝則さん:
- 悲しいですよね。悲しいって言うと、本当に悲しくなってきちゃうんで(笑)
悲しいと思わないようにしてるんですけど。
(土井、「半熟」の文字のなかの金を指さして)
- 土井:
- ここだけ金にしたのは意味があるんですか?
- 勝則さん:
- って思うでしょ?って思うだろうなと思って金にしてるんですそこ。
特徴になってると思うんですそこ。そうじゃないとただ丸のなかに文字が入っちゃってるだけになっちゃうんで。文字も落ち着いた普通なかんじだから、そして丸のなかに入ってるだけだから、何か特徴が必要ですよね。 - 助手H:
- 佐藤さんの作ったデザインで他のはどんなのがありますか?
- 勝則さん:
- ああ、僕、割とアイスが多くてですね。あの~チョコ○○○ジャンボというアイスとか。
- 助手H:
- ああ~。大好きです。
- 勝則さん:
- 美味しいですよね。あれずっとやってまして。
- 助手H:
- あれデザインずっと変わってないような気がするんですけど。
- 勝則さん:
- いや、あれは結構しょっちゅう、ちょこちょこ手を入れて変わってるんですよね。
- 助手H:
- そうなんですかぁ。まぁだいたい自分酔っぱらってる時に食べてるから、変わってても気づくことないですよね(笑)
- 勝則さん:
- (笑)そりゃわかんないよね。
+ - 勝則さん:
- アイスはいろいろやったな。板○ョコアイスとか、ビスケット○ンドとか、○ンデーカップとか。
- 助手H:
- それは、アイスが好きだからですか?
- 勝則さん:
- いえ(笑)愚痴っぽくなるから言うのやめようかな(笑)まぁいろいろあってアイスをやることになったんですけど、でもアイスをずっとやってきたことで、今とてもやりやすくなってるんですよ。アイスの仕事が。
- 助手H:
- 「アイスといえば、佐藤さん」っていうような?
- 勝則さん:
- そうですね(笑)アイスがあんまり良くない状況の時にやり始めることになったのですが、でもずっとやってたら売れるようになってきて、ものすごい利益が出てやりやすくなった。
- 助手H:
- なんで売れたんですかね。
- 勝則さん:
- 特に売れたのはジャンボなんですけども。今、台湾で社長をしている方がジャンボの担当で、一緒にやっていったんですけども。その方がとても有能で、プロジェクトを一体感を持って、いろんな部署の方たちとも進めていけたんです。すごい面白かったんですね。仕事として、営業とかも一緒に積み上げていけたから。
「チョコをパリパリにしよう」っていうことで、始まって、今はもう「チョコのパリパリ」が定着したんですが、「パッケージデザインでできること」っていうのもあるんですね。
「パリパリに見えるような表現」にしていくとか、どんなコピーにしていこうかとか、いろんな提案をしながら。基本は写真をシズル感のある、パリパリな美味しさを出すようにどんどん変えてったんです。で、営業は営業で回転率をどんどん良くしてくとか。なぜかというと、モナカにチョコレートをスプレーしてるので、中の湿気がモナカに来る時間をある程度かせげるんです。モナカに湿気が来ちゃうと、モナカがしなっちゃうんで、回転率を上げることで、鮮度が保たれて、そうすると美味しいからどんどん売れるんですね。
そうするといい循環が生れるから、利益が出るんですよ。 - 助手H:
- それは狙ってやってるんですか?
- 勝則さん:
- 狙ってるんですよ。
- 助手H:
- その狙いを決めたのは誰なんですか?
- 勝則さん:
- その台湾で社長をしている方なんです。あの回転率の良さでどんどん売れていくっていうのは、ビックリしましたね。あの、○ンカップ○○ゼキもそうらしいですよ。
○ンカップ○○ゼキって美味しいんですよね。 - 助手H:
- 美味しいんですか?
- 勝則さん:
- 美味しいんですよ。○ンカップ○○ゼキって。すごい売れてるから古くならない。だから美味しいって聞いたことがあって。ジャンボと一緒だなって思って。
- 助手H:
- ○ンカップ○○ゼキって美味しいんだぁ。よく田舎行くと自販に軽トラを乗りつけたおじさんが、ガブ飲みして去っていく姿を何度か目撃したことはありますけど(笑)
- 勝則さん:
- すごいなそれ(笑) ○ンカップ○○ゼキは美味しいらしいですよ。他のはそんなでもないって聞きましたけど。
- 助手H:
- 僕帰りに、チョコ○○○ジャンボと○ンカップ○○ゼキを買って帰りそうな勢いですよ。
- 土井:
- 絶対一緒にしたくない組み合わせだな、それ(笑)
- 助手H:
- ○ンカップ○○ゼキをガブ飲みすることから始めれば、感覚が麻痺するからチョコ○○○ジャンボも一緒に食べられると思いますよ。
- 勝則さん:
- お菓子なんかもそうですけど、デザインって当然デザイナーのものじゃないんです。企業のものでもなくて、それを食べて使ってる人のものになってるので、そこを間違えると大変なことになっちゃうんですよね。家を作るときもそうでしょうけど、背景にあるものを考えながらデザインしていきますよね。ベースになるものを間違えないようにして。
そこを間違えてスタートしちゃうと、もう大変ですよね。 - 助手H:
- つまりそれは、どうしてそのお菓子が産まれたのかということですか?
- 勝則さん:
- どうしてこれが好まれてみんなに受け入れられてるのか?っていうことなんだと思うんですけど。調査をしても出てこないところもあるんですね。それは気持ちの問題で、背景にあるものだったりもするんだけど。化粧品のデザインだとかヘッドフォンのデザインは、造形としてのデザイン自体が、デザインと言われてると思うんです。そういう意味のデザインがお菓子にはないんですよ。誰もそこに価値なんて求めてないですし。デザインされているなんて誰も思っていないんです。でも、自分の血となり肉となっているようにどこかの一部になっているようなとこがあって、使ってる人も気づいてないんですが、変わるとそこではじめて気がつくんですよね。「あっ、失ったものは大きい」とわかるようなかんじで。そういうところが他のプロダクトのような派手なデザインと違うんですが、使う人に食い込んでいってるので、パッケージのデザインは面白さがあるなぁと、ある時に気がつきまして。それまでは、「地味だなぁ、つまんないなぁ」とか言ってたんですけどね(笑)
生活に密着しているので、それからすごくやる気になったんです。 - 助手H:
- それはいつぐらいの話なんですか?
- 勝則さん:
- 5,6年かなぁ・・・
- 助手H:
- 割と最近の話じゃないですか。
- 勝則さん:
- いやいや、仕事始めてから。最近だと、ちょっとまずいですね(笑)
あの~子供向けの「なんとかレンジャー」みたいなお菓子あるじゃないですか。
あれをやってて気がついたんですね、そのことに。あれって子供向けだから単価が安いんですよね。で、子供は100円玉握りしめて、買いにくるわけですよ。まず、子供の情報量ってすごいものなので、そこに応えなければいけない。 - 助手H:
- 子供の情報量って・・・
- 勝則さん:
- 子供の「なんとかレンジャー」に対する情報量って、彼らはものすごいものを持っているので、テキトーなものは作るわけにはいかないんですよ。嘘になっちゃうから。
馬鹿にされちゃうし。それをきちんと担保した上で、こちらから相手に情報をしっかり伝える必要があるんですね。「なんとかレンジャー」に関する情報量も多いんですけど、お菓子に関する情報だとか、いろんな情報があるので、すごく多いんですね、情報量が。それの交通整理がものすごく大変で。すっきりそぎ落としたデザインのパッケージに比べると、ものすごい大変なんです。ものすごい大変なんだけど、ものすごい低く見られてるんですよね(笑)特に日本て子供に対する商品群が、すごく高い意識で作られてるものと、「どうせ子供なんだから」っていう枠組みの方と別れるんですが、どちらかというと「なんとかレンジャー」は後者の方に入れられてて。最初はそれをデザインするのが、とても苦痛でした。
でもやってるうちに「これをちゃんとできるようになると、どんなデザインでもできるようになるんじゃないか」っていう風にも思ったんですよね。「100円玉を握りしめた子供に応えなければいけない」っていう風に思ったことが、子供向けじゃない商品のターゲットの人たちにも応えられるようになっていって。知らないうちにそれが使っている人の身体の一部になってしまうような身近なもので。デザインなんて概念がないようなところにデザインがあって、それが使っている人の身になっちゃう・・・そこがパッケージ面白いなぁと思ったんですよ。 - 土井:
- コストは抑えられ、厳しい状況のなかで、クリエイティブなものを作っていかなくてはならない・・・
- 勝則さん:
- 情報を整理して、キチッと伝えていかなくてはいけないということですね。
仕事的には高いものを要求はされない。高いものを要求するのは、子供たちで。子供たち相手に頑張るっていう。 - 土井:
- いい加減にしてはいけないと。
- 勝則さん:
- 「社内を見て仕事をしてもしょうがない」っていうスタンスもそういう風にできてくる。
- 助手H:
- なるほどねぇ。
- 勝則さん:
- すごいそれが勉強になって、よかったんです。
- 助手H:
- 「なんとかレンジャー」のパッケージをやったことで、シンプルでかっこいいパッケージをやるときに、どんなことが役立ちましたか?
- 勝則さん:
- 求められている情報を分類して整理して絞りこんでいくスキルですね。
- 助手H:
- 子供向けの商品は情報量が結構カオスになっているんですね。
- 勝則さん:
- もう、カオスですね(笑)パッと見るともうすごい情報がいっぱいあって。
わからない。でも、入り込んでいくと、それが整理できてくる。それを整理しないととにかく仕事ができない。整理をした後で、いちばん大事なものを出していって、それを魅力的にする。求められるものを有意義に出していくにはどういう方法がいいか。っていうのを考えていく。そのときにビジュアル的、造形的に、どういう切り口がいいのか。という訓練になったっていうかんじですね。 - 助手H:
- 情報のなかで、本質を掬い取ることがやりやすくなったということですか?
- 勝則さん:
- そうかもしれないですね。とにかく「あれもこれもやりたい」っていう要望がワーッときて、それがもう「レンジャー状態」になっているっていう(笑)
- 助手H:
- シンプルなパッケージのお菓子も、最初は「レンジャー状態」になってるんですか?
- 勝則さん:
- なってるんですよ。大人がレンジャー状態に(笑)いろいろな意見があるので。
「本当にこの商品に関して、大事なものはなんなのか」というところを詰めないと、結局その商品がなんだかわからない。っていうことになってしまう。
というかんじ、なのかなぁ(笑)
<パッケージデザイナー佐藤さんの「趣味で作ったもの」デザイン3選>
○子供に大人気。30年前に、木で作った食パンのパズル。
「塊の木を、スライスして固定して、削っていきました。木目が綺麗でしょ。子供の食いつき方がすごいです。唾液がたくさんついてます(笑)」
○アクリル(ほんとはガラスがよかった)で作った絵本
「一枚一枚重ねていくと、立体的にストーリーが進む絵本なんですよね。」
○透明な板を重ねた迷路。
「中に石を入れて、手で持って遊ぶんですけど。問題がひとつあって、重いんです。この迷路(笑)」
<アフリカの置物からパワーをもらっている佐藤さんコレクション>
「元気のないときに、こういうのを磨いてると元気になってくるんです」
<取材終了後、佐藤さんのおもてなしによる宴に>
「さすが、佐藤さん、盛り付けが美しかった。器にもこだわりが」
「マイ・ラーメンボックスを抱えながら、助手Hに向かって熱弁をふるう佐藤さん」
「佐藤さんレコメンドNo.1ラーメンは「マルちゃん ハイラーメン」
「佐藤さんレコメンドN0.2ラーメンは「ロン龍」(写真は助手Hが食す10分前に自宅にて撮影したロン龍)
——————– 取材後記 ——————–
クリエイターとして、大切な考え方を教えてくれた佐藤さん。
「使うユーザーのことを考え抜いたその先に、優れたデザインというものがある。
デザインも家づくりも、真にいいモノとは、そういうものだ」というようなことを伝えてくれたのかなと。
たくさんの情報とモノに溢れた時代。そのなかで、日本人の身体になじむ、生活になじむデザインというのはどんなモノなのだろうと。あらためて興味を持たせてもらえた佐藤さんとの出逢いでした。(助手H)