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人との繋がりを大切にすることから生まれた、逗子の名物レストラン

カテゴリ : 暮らす人 2016.12.05

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INTRO
小坪漁港にあるイタリアンレストラン「ピッコロ ヴァーゾ」。いろいろなメディアに取り上げられたり、著名人も多くリピーターとして通っている湘南の有名レストラン。オーナーの堀さんが「いやぁ~、取材するのが女の子じゃないと嫌だなぁ~」と言っていることや“愛想があまり良くない”ということを取材の事前情報として耳にしていた。けれど実際お会いすると優しくて、気さくだった堀さん。価値観や大切にしていることなどを聞いてきました。

インタビュー&テキスト
白鳥 ゆり子(技拓)
土井 智波 (技拓)
助手H

写真
蒲田 星人 (HOTSYSTEMS)

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奥様:
いらっしゃ~い。
一同:
おじゃましま~~す。
助手H:
ああ、いいデッキですね。
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助手H:
堀さんはどちらでしょうか。
奥様:
取材だって言ってるのに、今マッサージに行ってるんですよ。
土井:
どちらまで?
奥様:
すぐ近所なんですけども。
土井:
近所に上手な方がいるんだ。
奥様:
ええっと、上手というよりかは、その女の子のことが気に入ってるみたいなんですけどね。
助手H:
そんな理由ですか。
堀さん:
おじゃましま~す。
土井:
自分の家じゃないですか。
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※愛想よく、喋りまくる堀さん。

助手H:
今日おじゃまする前にピッコロヴァーゾの事前情報を調べようと思ってたんですが、お店のホームページとかはないんですね。なので他のサイトでピッコロヴァーゾの情報をいろいろ探したんですが、「店主に愛想がない」という話が結構書いてありました(笑)。
堀さん:
Facebookはピッコロヴァーゾのページがあるよ。朝の景色をアップしたりとか。お店のことはほとんどアップしてないから、ホントはそれじゃいけないんだろうけども。フフフ(笑)。今はもうインスタグラムでしょ。めんどくさくないから。
助手H:
ホームページはないけども、そういうのはおさえてるんですね(笑)。
堀さん:
近所にいろいろ教えてくれる人がいてね。インスタグラムの店のページに
まかないばっかりアップしていたら、「自分個人のページにそういうのはアップしろ」って怒られました(笑)。
土井:
でもあのまかない美味しそうですよね。あれ食べたいって人いるんじゃないの。
堀さん:
いますよいますよ。インスタグラムのフォロワーは700人ぐらいいるのかな?その中には料理人もいるし。
土井:
堀さんのお店は芸能人の方も含めて、面白い方ばかりが出入りしてますよね。どこでそういう方々と知り合うんですか?
堀さん:
どこでだろう(笑)。でも逗子マリーナって面白い人ばっかりいるよね。
助手H:
なんで23年前に逗子マリーナでお店を作ったんですか?
堀さん:
地中海料理とかイタリアンをやるには、あの場所がいいなと思って。いろんな仕事をしている人がウチの店には来るけど、基本的には波乗りする人ばっかりだね、なんとなく(笑)。Inter FMや横浜スタジアムでアナウンスの仕事をしているDJもいれば、どんなに大きな失敗をしてもめげずに這い上がって生きている経営者だとか(笑)
助手H:
堀さんは逗子のご出身なんですか?
堀さん:
今日話している、この場所で生まれました。
土井:
このあたりは昔もっと広々としたお屋敷が多かったですかね。
白鳥:
別荘文化の場所ですよね。昔と今ではまるっきり違いますか?
堀さん:
昔は、134号線がなかった時は全部保養所だったから。
土井:
134号線ってなかったの?
堀さん:
なかったですよ。オリンピックの時にできたんですよ。134号線はオリンピック道路だから。江の島でヨットの大会があったから、道路を作ったんです。
奥様:
通行するのに料金払ってましたもんね。10円だったかな。
堀さん:
50円だね。134号線の逗子と七里ガ浜に料金所があったんです。
土井:
そういえば掘っ建て小屋みたいな料金所がありましたね。
助手H:
へ~。134号線ってお金払わないと通れなかったんですか?いつまでの話なんですか?
堀さん:
いつまでだっけな~。オリンピックの1964年は僕が高校3年くらいの時だから、それから大学の時も有料道路でしたよ。お金払ってましたもん。
助手H:
若い頃はどんな暮らしっぷりだったんですか?
堀さん:
学生の頃はほとんど海にいましたね。海の家や保養所でアルバイトもしてました。朝、パラソル出して椅子出して、お客さんを待って。
白鳥:
学校周辺(玉川学園)で遊ばずに、すぐこのあたりに戻ってきて遊んでたんですか?
堀さん:
いや、海でバイトして遊んでたのはゴールデンウィークとか、夏休みとか。学校はちゃんと行ってましたよ(笑)。逗子から玉川学園まで行くには、藤沢に出て小田急に乗って登っていくんですが、それが全然面白くなくてね(笑)。だから僕は逗子から品川に出て、品川から渋谷に出て、渋谷から下北沢に出て、下北沢から小田急で下って玉川学園まで行ってたんですよね。
奥様:
どんだけお金がかかってるんですか(笑)。
土井:
すごい遠回り。
堀さん:
で、帰りはほとんど渋谷で遊んでましたよ。ついでに都内に住む友達の家に結構泊まってましたね。
助手H:
当時は、遠回りしてそういう通学の仕方をする人って多かったんですか?
堀さん:
いないでしょうねぇ。
助手H:
4年間ずっーと品川と渋谷を経由して学校に行ってたんですか?
堀さん:
ずーっとやってましたよ。
助手H:
飽きないんですか?
堀さん:
飽きないですね(笑)帰りはだいたい※フランセで遊んでましたね。フランセに行けば必ず誰かに会えるってかんじでした。喋って、遊んで、そのまま誰かの家に遊びに行ったりとか。
※渋谷にあった有名菓子店が経営する喫茶店
奥様:
お勉強、全然しないのよね。
堀さん:
しなかったね(笑)。
助手H:
大学で何を勉強したんですか?(笑)
堀さん:
一応「商業貿易」を。
一同:
ほぉ~~。
助手H:
それはどんなことを勉強するんですか?
堀さん:
「商業貿易」ってどんなんだったけな。忘れました(笑)。
助手H:
なぜ、「商業貿易」から料理に行ったんですか?
堀さん:
大学卒業して、最初は母の関係で某デパートにコネクションがあって、面接に行ったんですよね。だけどデパートだと日曜休みじゃないから「日曜休みじゃないの嫌だなぁ」って思ったりしながら(笑)。面接で「デパート好きなんですか?」って聞かれて「いやぁ、僕、日曜休みじゃないからデパート好きじゃないです」って答えたんですよ(笑)。だから当然落ちちゃいまして。それで一回サラリーマンはやったんですよね。だけどその後、料理に興味が出て「ローストビーフ鎌倉山」で働くんですよね。
助手H:
厨房だったんですか?
堀さん:
そうです。そうそうたる面々の方々が来店してました・・・って、厨房だから誰が来たかわからなかったんだけども(笑)。

助手H:
料理に興味を持ったきっかけって何だったんですか?
堀さん:
なんなんだろうなぁ。。
奥様:
食べることが好きだったんでしょ?
堀さん:
お袋がよく作っていたので、そういうのを見てたりとか。。
奥様:
とにかく実家に人がよく遊びに来てたんでしょ?そういう時もお母さんがよく家でご飯作っていたって。
堀さん:
そうそう、親父が店屋物がダメな人だったんですよね。休みになると東京からたくさん友達が遊びにきてたんですよ。二家族とか(笑)。もう目の前が海だから、子供たちもたくさん遊びにきて、家が海の家状態でした(笑)。親父は食べることが好きでしたね。新橋で鳥屋で鴨を買ってきたりとか、すき焼きは七輪で炭を起こして作ってました。
そういうことが好きだったみたいだね。
助手H:
人がたくさん集まって、美味しいものをたくさん食べてたんですね(笑)。
堀さん:
美味しいものを食べてた。。そ、そうなのかもねぇ(笑)。で、僕一人っ子だから、みんなが帰っちゃうと寂しいので、みんなが帰る時にそのまま東京について行っちゃってました(笑)。
助手H:
お母さんの料理は美味しかったですか?
堀さん:
うん。美味しかったですよ。
助手H:
何が一番美味しかったですか?
堀さん:
割と洋食系が多かったかなぁ。
奥様:
天ぷらが美味しかった。
堀さん:
人がたくさん来ると・・・
奥様:
天ぷら(笑)。
助手H:
で、「ローストビーフ鎌倉山」は何年働いたんですか?
堀さん:
5,6年かなぁ。辞めるきっかけはすごく単純でしたよ。一人の奴が「辞めたい」と言って、社長が「他に辞めたい奴はいるかぁ」って言ったので「じゃあ僕も辞めまーす」。って言いました(笑)。その後は横浜のとんかつ屋さんで働いたんですよね。
助手H:
とんかつ屋さんは何年働いたんですか?
堀さん:
割りと長く。8年くらいかなぁ。
助手H:
ひとつひとつの職場は長いんですね。
堀さん:
サラリーマンは1年だけどね(笑)。
白鳥:
とんかつ屋さんがなんでイタリアンのお店をやることになっていったのでしょうか。
堀さん:
妻の実家が肉屋だったんですけども、とんかつ屋の後に、「お惣菜の部門をやりたいから来ない?」と誘われて転職しました。けれど、結局お惣菜部門には配属されないで、肉屋の営業に配属されたんです(笑)。料理のことを知ってたので、レストランに配達を兼ねて営業をすることになったんです。それから・・・そこを辞めてからは、自分で宅配のピザ屋をやりました。
白鳥:
当時、宅配のピザ屋は結構あったんですか?
堀さん:
いや、まだあんまりなかった。
土井:
なんで宅配のピザ屋をやろうと思ったんですか?
堀さん:
肉屋で一緒に働いていた同僚が肉屋を辞めてから東京の宅配ピザ屋に就職したんですよ。で、「宅配ピザ屋やらない?」って話になって一緒にやりはじめたんです。このあたりにはまだ全然なくて、最初の頃はすごい忙しかったよね?
奥様:
でもバイクが何台もあるし、経費がすごいかかるんですよね。アルバイトも何人もいるから人件費もね。5年くらいやったのかな。
堀さん:
それと並行して同時期にピッコロヴァーゾを出したんですよ。宅配ピザ屋と同じケースで、ピッコロヴァーゾの最初のシェフも肉屋の同僚でした。その彼は、肉屋で働く前は、僕が納品で出入りしていたレストランにいたんです。しょっちゅう「何か面白いことはないですか?」って言うので、「ウチの肉屋で働く?」って声をかけたんです。ところがある日、働いていたレストランをバックレて肉屋に来ちゃったんです。「お前大丈夫なの?」って彼に言ったんですが「大丈夫です」って言うから。けど、すぐにそのレストランから電話がかかってきて(笑)。
土井:
そりゃそうですよね(笑)。
堀さん:
そのレストランの人に「知りませんか?」って聞かれて、「知りません」って答えて。
奥様:
あたし、その話全然知らないんだけど(笑)。
一同:
(笑)。
堀さん:
で、その彼が肉屋を辞めた後にイタリアンで料理人をしていて「堀さん、お店をやる時は声をかけてください」って言ってたので、彼に声をかけてピッコロヴァーゾを始めたんです。そこからがイタリアンのスタートです。
白鳥:
繋がりがきっかけでイタリアンに辿り着いてるんですね。
堀さん:
そうそう。だから、今も「人との繋がり」はすごく大事にしています。
当時知り合った人も、最近知り合った人も。知り合った人たちがいろんな人を紹介してくれて枝分かれしていく。何か困った時にも、すごく助かることもあったり。とにかく「人の繋がり」はすごく大事にしています。
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助手H:
堀さんがお店を続けていくために、大事にしていることは何ですか?
堀さん:
やっぱり「ネットワーク」ですよね。「ネットワーク」を大事にしておかないと。いざ何かがあった時に、こちら側が助けたり、助けてもらえるから。
助手H:
いつぐらいからその考え方を持っていたんですか?
堀さん:
意識的には考えてこなかったけど、繋がりは大事にした方がいいと思ってきました。
白鳥:
一人っ子だから、遊びに来た友達について行っちゃうっていうところに何かある気がするな(笑)。
奥様:
一人っ子だから、お母さんが友達が家に遊びに来ることを拒まなかったって聞きました。みんなが「おばちゃんおばちゃん!」というかんじでいろんな友達が家に来てたそうです。私たちが結婚してからも、お母さんのことを「おばちゃん元気?」って通りすがりに声をかけてもらったりしてました。
助手H:
友達がたくさんいたんですね。
白鳥:
堀さんが技拓で家を建ててくれたのも、スタッフの林が堀さんの友達だったから。
堀さん:
いや、技拓は前から知ってましたよ。いろんな人に「技拓の家ってどうなの?」って聞いてましたもん。そしたら「難しい家だよ」って言ってた(笑)。
助手H:
どういう意味で難しいんでしょうかね。
白鳥:
価格帯も含めていろんな意味でしょうね(笑)。
堀さん:
惚れこんじゃうとそんなことないんじゃないかな。
白鳥:
手をかけないとお化け屋敷になっちゃうからね(笑)。木を使っているから、ムードを保つために手をかけないと。
堀さん:
とにかく技拓のことはだいぶ前から知ってましたよ。
白鳥:
やっぱり湘南に住んでるとね。知られているから(笑)。
助手H:
住み心地はどうでしょうか?
堀さん:
ああ、いいですよ。住み心地。
助手H:
住み心地が良くて、休みの日はほとんど家にいるとか。
堀さん:
いや、ほとんど家にいません。
助手H:
いないんですか(笑)。
堀さん:
休みは、友達が教えてくれたり、気になるお店があったらよく食べに行ってます。東京が多いかな。あ、でもこの前「小田原おでん」の本店に行ったんですけど、美味しかったです(笑)。
助手H:
食べに行った味のフィードバックなど、ピッコロヴァーゾの料理に反映するんですか?
堀さん:
いや。「美味しかったなぁ~」でおしまい(笑)。
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助手H:
ちなみにイタリアへ見に行ったりして、お店を作ったんですか?
堀さん:
いや、全然。僕イタリアに行ったことないですもん。
助手H:
ないんですか?イタリアに行ったこと(笑)。
堀さん:
ないですないです。
前にお客さんに「あの~今度イタリアに旅行に行くんですけど、
どこかイタリアでおすすめの場所教えてくれませんか?」って聞かれたんだけど「あの~僕イタリアに行ったことないし、行きたいとも思わないし、どちらかというとアメリカの方が好きなんですよね」って話したんだけど(笑)。
白鳥:
ちなみにピッコロヴァーゾの名前の由来は?
堀さん:
ピッコロが「小」でヴァーゾが「壺」って意味らしくて。
「小坪」って意味です。
白鳥:
あ~。
助手H:
すごいこだわりがあるように見えて、全然こだわりがなくて、ライトなかんじなんですね
奥様:
そうそう、こだわりが全然ない人。
助手H:
イタリア料理だから「イタリアに行かないと」とか思わないんですか?
堀さん:
ぜんっぜん思わないね。ロスに行ってハンバーガーが食いたいぐらいです(笑)。
一同:
(笑)。
土井:
だけど、アメリカンなお店をやろうとは思わなかったんですね。
助手H:
たまたまイタリア料理をやっていた知り合いがいたから、イタリアンになったんですよね
堀さん:
そうそうそう(笑)。あの場所だったら南仏かイタリアンだと思ってたから。場所と知り合いがドッキングしたんだよね(笑)。ピッコロヴァーゾで、最初に料理を作っていたシェフが「結婚するから旅行に行かせてください」って言ったので「どのくらい?」って聞いたら「一週間」って言ったんだよ。「一週間も店を閉めなきゃいけないじゃん」って話になって、当時もう一人いたスタッフに「じゃあ俺たちはアメリカにでも行くか!」って言ってアメリカに行ったんだよね(笑)。その頃ロスにサディスティック・ミカ・バンドの小原礼ってベーシストの兄貴が住んでたので、彼のところに遊びに行って、楽しかったね。
白鳥:
昔からすごくいいネットワークを持ってたんですね。
助手H:
やっぱり遊んできたからですかね。
堀さん:
それはあるかもね。
助手H:
遊びまくってきたわけですもんね。
堀さん:
それ、どういう遊びのことを言ってるのかよくわかんないけどさ(笑)。
助手H:
バランス感覚がすごくいいなぁと思って(笑)。
白鳥:
人好きなんでしょ?
堀さん:
そうですね。人は大好きです。
土井:
堀さんが嫌いなタイプってあるんですか?
堀さん:
東京から来た人で湘南に染まってないとダメだなぁ~って思っちゃう。
カッコつけてる人があんまり好きじゃないんですよね。湘南の人ってカッコつけてる人があんまりいないじゃないですか。短パン、Tシャツ、ビーサンでいいわけだから。
湘南の人って「まーいいか。何とかなるか!」っていう人ばっかりだから。
土井:
カッコつけてる人ってピッコロヴァーゾに来るんですか?
堀さん:
来ますよ。「アナタ感じ悪いわね」って言われますもん(笑)。「よく言われます」って話すんだけど(笑)。
奥様:
そういうのって大人じゃないわよね。
堀さん:
でも、そこから「面白いなこの人」って仲良くなっちゃう人もいれば、全然ダメな人もいて。話してみないとわからないじゃないですか。
奥様:
ある方が雑誌に「愛想がない。でも私は好感が持てる」と書いてくれたことがありました(笑)。
助手H:
堀さんは出逢った時からこんなかんじですか?
奥様:
変わっていて、逢ったことのないかんじの人でした。
白鳥:
これまでお二人で過ごしてきた時間は面白かったですか?
奥様:
わかりますでしょ?だいぶ変わってますんで。結婚した時に「お金なんていらない」なんて思ったけどバカですよね。。結婚してから「お金って大切なんだぁ」って気づいたんですよね(笑)。
助手H:
堀さん、何型ですか?
堀さん:
A型です。
奥様:
基本的には真面目だと思います。今までも「他の場所でお店を出さないか?」って声をかけられたんですけど、絶対にそういうのには乗らない。
堀さん:
やっぱり無理ですよ。例えば「東京にこの店があったらいいわよね」なんて言われることがあるんだけど、東京にあっても店に来るまでのプロセスがないから。東京から来るまでの時間があって、海があって、店がある。
白鳥:
アンビエントですよ、助手H君(笑)。環境があって、あの店があるから良いってことですよね。小坪があって、ピッコロヴァーゾがあって、堀さんがいるから「ピッコロヴァーゾ」だっていうことですよね。
堀さん:
友達に「料理もいいけど、お前がいるからあの店に行くんだよ」って言われたりもしました。
助手H:
悩みはありますか?
堀さん:
忙しくないと困っちゃうんだけど、忙しすぎるのも疲れちゃうよね。程よいかんじがいいよね(笑)。

——————– 取材後記 ——————–

堀さん宅での取材を終えた後日、ピッコロヴァーゾへランチに行った。お店のドアを開けた時、“定位置”の、古いエスプレッソマシンがあるカフェコーナーに佇んでいた堀さん。その姿はまるで、いつも台風の目の中にいて、世の中の出来事を傍観しながら生きている・・・。そんな風に見えた。ちょっと疲れた時、きっと、堀さんに会って笑うために、みんなピッコロヴァーゾに訪れるのかもしれない。