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引っ越しに思うこと(不満編)

カテゴリ : 住む人日記 2017.11.12

金沢ロケから東京へ戻ってきた。東京は冷たい木枯らしが吹いている。
ロケに出る前日、今年に入って2度目の引っ越しが決まった。夏前から探しはじめて4ヶ月が経っていた。仕事の都合で手狭になっていたこともあるが、どうにも解消し難い問題があり短い期間で2度も引っ越すことになったのだ。

物件探しのポイントは、具体的な間取りや平米数よりも、あくまで自分たちが日々を充実して過ごせるかという1点。もちろん家賃の上限や仕事場も兼ねるという点には留意したが、古くてありきたりな間取りでも、使い方や家具の配置の工夫次第で化ける物件を探し回った。だがこれが難しかった。(前回もそうだった)

最近の物件は妙にセンスが悪いのだ。まるでツギハギのように、扉に床に壁にと、どうしてこの組み合わせにしたのかと聞きたくなるものばかり。かと言ってデザイナーズ物件もカッコばかりで実用的じゃない。不動産屋の担当者がオススメですと紹介してくれる物件もまた、あくまで業者的で設備や賃料などがポイントになるので、どうにもズレている。他にも湧き上がるいくつもの、何故。

そうして血眼になって探しているうちに、夫婦のストレスは最高潮に達していった。ただ普通に暮らしたいだけなのに、随分な金額を払って箱に押し込められるような生活をしなければならない現実に、残念な気持ちが溢れた。物件を建てるオーナーも、貸す不動産屋も、管理会社もあくまでお金儲けなので、人が豊かに暮らすという観点がないのだ。それはクローンのように乱立する建売にも言えることかもしれない。

街並みと合わない外観に、ちぐはぐな内装と間取り、高い家賃を快く思っていない人は多いはずだ。それでも妥協に妥協を重ねてどうにか楽しく住めそうな物件を見つけられたのは幸運だったかもしれない。ついでにと、借りれない金額の物件もいくつか覗いたが、実情は変わらなかった。日本の住環境の低さは、お金で解決仕切れない根深い問題があるのだと思う。

次回は、今回の不満から発見したその問題点について書こうと思う。(愚痴っぽくならないように)

 

 

※写真は金沢の千里浜にて