親の持ち物、実家のこと
カテゴリ : お山生活 2017.08.08
先日、友人が開催するとあるイベントに顔を出しました。
今はもう、空家になってしまった築90年の古民家がご実家で、
これからこの家を有効活用していくための、初めてのイベント。
その際、亡くなられたお母様が集めていた食器などの販売もあり、私も籠や
作家モノのおちょこなどを何点か購入させてもらいました。
彼女は、本当に大切にしてもらえる人に、
母のモノを喜んで引き継いでもらいたかったのでと、
値段も安めに設定し、今回のイベントに出したそうです。
この思いって実はとても大切なのだと、
娘としての彼女の気持ちが伝わりました。
そして、これからこの古民家を利用した、素敵な展開がありそうなので、
私自身もとても楽しみにしているところです。
そのイベントを通して、私はふと頭に浮かんだことがあります。
我々も50近くになると、そろそろ親の介護や死別など、
そう遠くない未来にやってくる。
まわりでも少しずつ、同居の話や実家の売却の悩み事、介護の問題など
話題に上ることも増えてきました。
自分の両親もまだまだ元気とはいえ、だんだんと無理の利かなくなる年齢。
モノの整理を巡って、意見の食い違いなんかもいろいろあります。
親が健在なうちの実家の片づけも、課題が多いからこそ、
たくさんの本が出版されている。
健在なうちでも、持ち物の見直しを巡って意見が対立することもあるのに、
ましてや認知症を発症し始めた親御さんであれば、なおのこと。
ようやく子供に手がかからなくなり始めた頃、
今度はそういった課題・問題が増える40代50代。
メディアや本では見聞きしても、やっぱり身近なところに相談できる場所が
あったら、気軽にコミュニケーションがとれる場所があったらと
思う歳になってきたのは、どうも間違いがないようです。
何から手を付けたらいいのか、頭を悩ませる課題が山積したとき、
兄弟を頼れない現状も多いとか。
私は、建築の会社をやっていることもあり、友人や知人、お施主さんの
土地や建物に関するサポートは、もともとしています。
そこに、今度は親の持ち物を、「誰かに想いを引き継ぐ」お手伝いもまた、
素晴らしいサポートになるのではないかと、感じました。
不要なモノと一緒に業者に一括で出すのもちょっと、でもひとつひとつ
リサイクルショップやオークションに出すのもまた手間のかかる話。
誰か本当にほしい人に引き継いでもらいたいと思うモノ。
そういうモノってありますね。
以前から、引っ越される際に不要になった家具の処分のご相談などを
お手伝いもすることもあり、中には年代物のすばらしい家具も
あったりします。
整理したい人と、素敵なモノとの出会いを愉しみにしている人を
繋ぐお手伝い。
そこから、いろいろな情報も行き来し、いずれ自分にもやってくる
実家問題のお手伝い。
できることから始めて、いつしかそれが大きな輪となるかも。
想いとモノを繋ぐお手伝い、考え始めています。