SUMIBITO

愛着は再発見するもの

カテゴリ : 住む人日記 2017.07.22

紫陽花を愛でることも、雨音に耳を澄ませることもあまりできないまま、激しく恐ろしい豪雨の記憶だけを残して、梅雨が明けた。意識をして探さなければ、季節も日々も過ぎ去るのは早い。私は住む人の編集作業をしつつ、各地を様々な仕事で飛び回る日々。あっという間に8月も終わってしまいそうな勢いだ。

ところで、家という場所は毎日を過ごすからこそ「当たり前」の場所になりやすい。当たり前になると、以前のようには愛着を持てなくなるし、手を加えたりする意欲も希薄になっていく。そんな感覚に気が付いたのは、飛び回るような生活を始めてからだった。
これは旅に出て初めて、自分の生まれ育った場所や環境を知って好きになることと似ている。いつも新鮮な気持ちを維持することは簡単ではないし、人それぞれの性格や考え方に大きく左右されるから難しい側面があるが、少しの間距離を置くことで、何かを再発見したり、改めて好きになることは、さほどハードルは高くない。

もし、家や日々の暮らしが当たり前に感じていたら、お盆休みや、夏休みを使ってリフレッシュしてみると良いかもしれない。誰か、何処かと比べてではなく、なんだかやっぱり自分 の家が一番落ち着くのだ。それが愛着の出発点にある。

これから夏本番、どうか皆さんも、ご自愛ください。

写真は、施主さんのお住まいの写真より