SUMIBITO

東京の島へ

カテゴリ : 住む人日記 2018.04.17


東京から南海上に175km、直径約8kmの丸状の島が浮かんでいる。
2000年の噴火では全島民が4年5ヶ月の避難生活を強いられた島だ。
あれからもう18年が経った。

多くの木々が枯れ果て、裸同然の姿になった島は確実に再生を始めていた。
まだ若く背の低い木々も、もうしばらで以前の高さに育つだろうと思う。
2015年6月にようやく火口付近の立ち入り制限も解除されたと知れば、つい最近のことだとよく分かる。

私たちは、慌ただしい日々の中で身に直接起こること以外は、忘れてしまいがちなのだ。
それはこの仕事をして、いつも旅をする度に思うことだ。
ただ同時に、爪痕すらも飲み込もこうとする自然の強さと生命力にも、その理由があると思っている。

空襲、地震、津波、火山と、日本人は多くの荒野を経験してきた。
調布空港からたった40分の場所にも、そんな痕跡はまだ少し残っている。
綺麗事では立ち直れないが、それでも生きていく強さが、そこにはある。

南国もいいけれど、
私は伊豆諸島を訪ねるのをオススメしています。
色々なことを考えさせられる、そんな場所だから。
今回の旅は、夏ころに本になって書店に並ぶはずです。
皆さんも是非、東京の島へ。

【お知らせ】
住む人は10月末日に第3号を発行することとなりました。
今年も、どんな冊子になるのか、皆さんに何を届けられるのか、
期待と不安でいっぱいです。